アオリイカ:泥障烏賊 |
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標準和名 |
アオリイカ
(ツツイカ目ジンドウイカ科アオリイカ属) |
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別名 |
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地方名 |
モイカ、バショウイカ
クツイカ(富山)
ミズイカ(瀬戸内、九州)
シロイカ(沖縄) |
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英名 |
Bigfin reef squid
Oval squid |
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学名 |
Sepioteuthis lessoniana Lesson |
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解説 |
イカ類の中で最も美味とされる。関西圏では商品価値が高く、40cmほどのものを1杯釣れば1日分の日当になるといわれている。
海の中にいるときは、体の色は透明に近い。水揚げされると透明感のある灰色になり、鮮度が落ちてくると乳白色になって透明感がなくなる。
イカ類の旨みは、何種類かのアミノ酸とAMP(アデノシン1リン酸・核酸関連物質)、糖類などが関連している。アオリイカには、旨み成分にかかわるエキス分の成分のうち、アミノ酸のグリシンが多く、甘味として感じる。ケンサキイカの成分もアオリイカに似ており、甘味がある。これに対し、コウイカ、スルメイカ、ヤリイカにはグリシンが含まれないので、甘味はあまり感じられない。ただし、プロリンやタウリンが多量に含まれ、旨みを強く感じる。プロリンは、醤油に含まれるアミノ酸によってさらに味が引き立つ。AMPは、ATP(アデノシン3リン酸)が分解されてできたもので、イカ・タコ・貝類に含まれている。 |
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分布領域 |
オーストラリア以北の西太平洋やインド洋、紅海などの沿岸各地に広く分布するが、最近の研究でこれらは同一の種ではないと考えられるようになった。日本では北海道南部以南の沿岸各地に生息する。西南日本、とくに九州、沖縄に多い。 |
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生鮮・加工法 |
生鮮利用向けには、生のままか冷凍されたものが出荷される。店頭では丸のままか刺身、惣菜などに調理したものが並ぶ。本種のするめを「水するめ」といい、美味なことで知られる。 |
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主な食べ方 |
夏が旬。身肉部分が多く、甘味がある。刺身、煮付け、焼き物に適している。そのほかの食べ方はスルメイカに準ずる。 |
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