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中島おさかなクラブ おさかな図鑑
成分名
値
エネルギー
88kcal
水分
79g
タンパク質
18.1g
脂質
1.2g
灰分
1.5g
無
機
質
カルシウム
14mg
リン
250mg
鉄
0.1mg
ナトリウム
300mg
カリウム
270mg
マグネシウム
54mg
亜鉛
1.5mg
ビ
タ
ミ
ン
ビタミンA
26μg
ビタミンB1
0.05mg
ビタミンB2
0.04mg
ビタミンC
1mg
ビタミンD
0μg
コレステロール
270mg
※科学技術庁資源調査会編
「五訂 日本食品標準成分表」より転載
可食部100g当たりの値を示します
スルメイカ:鯣烏賊
標準和名
スルメイカ
(ツツイカ目アカイカ科スルメイカ属)
別名
地方名
マイカ(北海道)
マツイカ(長崎、福岡)
ガンゼキ(長崎)
英名
Japanese common squid
Pacific flying squid
学名
Todarodes pacificus Steenstrup
解説
名前の由来については、するめに用いるイカ類の中で最も多く使われているからという説と、イカ、タコなどを墨を吐く群、「墨群」と呼んでいたところから転じたという説がある。
するめを水商売で「あたりめ」と呼ぶのは、「擦る」という語意に通じて縁起が悪いから。「寿留女」の字を充てるのは、嫁いで来た花嫁が永く留まってくれるようにとの願いが込められたもの。また、イカの足の数が多いことと、金銭を意味する「おあし」を懸けて商売繁盛を願ってするめを贈る習慣もある。
鎖国時代、乾なまこ、乾ふかひれ、コンブとともに海外輸出主要海産物の一つであった。
するめに加工するイカ類の中で、高級とされるのが
ケンサキイカ
からつくられたもので、「一番するめ」と呼ばれた。スルメイカでつくるものは「二番するめ」、あるいは「松前するめ」といい、一般に親しまれていた。
塩辛は、身肉を細かく切って塩を振り、肝(肝臓)と和えて自己消化させた塩蔵品である。皮を剥いた胴の部分だけを使った「白造り」、皮を剥かずにつくった「赤造り」、墨を混ぜてつくった「黒造り」などがある。とくに「黒造り」は、富山県など北陸地方で多くつくられ、
ホタルイカ
でつくったものなども有名である。
また、最近では酒、みりん、醤油などで味付けしたたれの中に漬け込んだ「沖造り」が人気を呼んでいる。これは、イカ釣り漁の漁師の間で食べられていた料理である。沖合で、獲れたそばから生きたままのイカを用意していたたれの中に投げ入れ、仕事が終わった後に飯のおかずにしていたのが始まりである。
分布領域
千島列島周辺から朝鮮半島、東シナ海に分布する。日本では、北海道から九州にかけての沿岸各地に生息する。上述したように日本周辺の本種には三つの季節群がある。このうち秋期発生群は九州西方域で発生し、日本海沖合を中心に分布する。冬期発生群は東シナ海を中心に発生し、黒潮にのって三陸沿岸や道東にまで分布する。夏期発生群は小規模で、主に隠岐から能登にかけた日本海に分布する。しかし、各季節群とも生息場所や産卵場所が重複しており、それぞれ独立した集団かどうかは定かではない。
生鮮・加工法
生鮮利用向けには、生のものと一部冷凍ものが取り扱われている。ごく少量ではあるが、活けものも流通する。冷凍ものは、10kg詰めの箱に入る尾数で仕分けされ、40尾サイズ(1尾が250g前後)くらいまでは生鮮利用向けに、26〜50尾サイズのものは主に延縄漁の餌用に、それ以下の小さいサイズのものは、加工用に利用される。生のものも、一部は加工原料にまわされる。店頭では、丸のままか、刺身などに造られて並ぶ。また、足や耳は、「げそ」として扱われる。また、姿焼き、照り焼き、天ぷら、フライ、げそ揚げなどの惣菜に調理されて売られる。
北海道、青森を中心にするめに加工する。また、北海道では、徳利の形に乾燥させた「いか徳利」や、くん製するめを利用した松前漬けにする。そのほか、塩辛、さきいか、いか姿焼き、飴煮、のしいか、からすとんび、鱈子や数の子などと和えた惣菜など、さまざまな調味加工品や珍味に加工される。石川県では、「いしり」という内臓からつくった調味料がある。塩辛は、「白造り」、「赤造り」、「黒造り」などがあり、胴だけを使用したのは上等品だが、普通には足も使っている。また、最近では、生きたまま丸ごと醤油に漬け込んだ「沖漬け」が人気を呼んでいる。
主な食べ方
春から秋にかけて各地で獲れる。季節が変わるにつれ肉厚になり、味も旨みを増す。新鮮なものは、いか刺しやいかそうめんなど刺身にし、好みでわさび醤油、生姜醤油、ぽん酢などで食べる。また、自家製の塩辛をつくってもよい。醤油をつけながら姿焼きにしたり、胴を開いて鹿子に包丁を入れ、照り焼きにしてもよい。和え物は、拍子木切りにして生のままやゆでて酢味噌、うに味噌など好みのたれや鱈子、数の子、細切り昆布などで和えるほか、ワカメ、季節の野菜や山菜を加えてもよい。胴は輪切りにして天ぷらや唐揚げ、フライにする。里芋と一緒に煮るとイカが軟らかくできあがる。また、胴にもち米を詰めて蒸したいか飯や、卵と豆腐、具を混ぜた物を詰めて蒸すけんちん蒸しも美味。中華風料理にもよく使われ、スープの具、温菜、八宝菜、五目炒め、酢豚などのほか煮物、揚げ物にする。洋風には、ゆでてサラダやオードブルに使ったり、スパゲッティーやパエリア、ピザの具にしたり、ほかの魚介類と一緒にブイヤベースに入れる。
するめは、酒を湿らせた布で表面を拭いてから使う。火であぶって裂いて肴にするが、好みで唐辛子やマヨネーズをつけて食べるとよい。裂いて酒に漬けて戻し、松前漬けや漬物、和え物、煮物、鍋の具にも用いる。
肝は、イカや魚介類、菜類の和え衣に、いか墨も和え衣や調味料に用いるとよい。
出展:株式会社エヌ・ティー・エス発行
現代おさかな事典〜漁場から食卓まで〜
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