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シマガツオ:縞鰹・島鰹
標準和名 シマガツオ
(スズキ目シマガツオ科シマガツオ属)
別名 エチオピア
ピア
ハマシマガツオ
地方名 モモヒキ(大磯)
クロマナガツオ(東京)
英名 Bonita
Angelfish
Black bream
学名 Brama japonica Hilgendorf
解説
名前の由来には明確な根拠はなく、マナガツオと区別するために即興的に付けられたものと思われる。一説には島とは南の島をいい、南方で獲れるマナガツオに似た魚だからこの名があるという。標準和名のシマガツオより、別名の「エチオピア」のほうがよく知られている。これは本種が昭和30年代に神奈川県三崎付近で深海延縄漁によって大量に漁獲されたことがあった。そして、市場に出回った頃、ちょうどエチオピアの皇族が来日したため、エチオピアと呼ばれるようになった。したがって、味覚にも産地にも関係がない命名の例である。エチオピアのピアだけとって呼ばれることもある。シマガツオは、ヨーロッパにおいては古くから珍重されており、延縄漁で漁獲されていた。我が国では、かつては食用魚としての価値が認められておらず、混獲されても洋上投棄されていた。本種は昼間は水深150〜400mの深みに棲むが、夜間は表層へ浮上する鉛直回遊を行う。そのため、サケ・マス流し網漁で混獲されていた。肉質が良好なことが認められ始めてから、流し網で大量に漁獲されるようになったが、1973年以降、公海での大規模流し網は禁止された。現在では延縄で漁獲されている。関東地方では深場釣りの対象魚とされている。引きが強いので人気がある。
本種は、類似種のヒメシマガツオ Brama dussumieri とは、縦列鱗数が65〜75枚(後者は57〜65枚)であること、成魚の両眼間隔域がせり出すことで区別される。
シマガツオ科魚類は、マグロ類の胃内容物にしばしば見られ、マグロ類の餌生物として重要である。
分布領域
太平洋の温帯域に生息し、水温9〜21℃の海域に生息する。日本では本州沿岸に分布。
生鮮・加工法
すべて生鮮利用で冷凍・冷蔵輸送される。店頭では丸のままか切り身にされて並ぶ。
主な食べ方
夏が食べ頃で、脂がのっている。白身で軟らかく、淡白。生きがよいものは、刺身にしてわさびや生姜を薬味にするとよい。塩焼きや煮付け、フライにしても美味だが、バター焼きがよい。頭をつけたまま内臓だけ取り除き、飾り包丁を入れて丸ごと油で揚げ、これに種々の野菜を炒めたものやあんをかけても美味しい。また、ぶつ切りにしたものをエスニック風味の野菜スープに入れたり、唐揚げと野菜を一緒に炒めてもよい。カレー風味もよく合う。

出展:株式会社エヌ・ティー・エス発行
   現代おさかな事典〜漁場から食卓まで〜

 

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