ズワイガニ:楚蟹 |
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標準和名 |
ズワイガニ
(エビ目クモガニ科ズワイガニ属) |
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別名 |
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地方名 |
ヨシガニ(北海道)
タラバガニ(秋田、新潟)
エチゼンガニ(福井)
マツバガニ(鳥取)
※雌は、セイコガニ・コウバク(コウバコ)ガニと呼ばれる。 |
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英名 |
Zuwai crab |
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学名 |
Chionoecetes opilio
(Fabricius) |
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解説 |
冬の日本海側、とくに北陸から山陰地方にかけての味覚、北陸地方では雄を「楚」あるいは「松葉がに」、「越前がに」と呼ぶ。楚というのは、楚(すわえ)の訛。すわえはとも書き、木の枝や幹から細長く伸びた若い小枝のことをいう。ズワイガニの細長い脚が、小枝を連想させたのだろうか。雌は「香箱蟹」、「勢子蟹」と呼ばれる。雌は小型で、身が少ないが、卵と味噌が旨い。卵巣は、甲羅に付いている未成熟卵を「内子」、雌の腹部に抱えられている成熟卵を「外子」という。
市場には、ズワイガニのほか、仲間のベニズワイガニもよく並ぶ。甲羅の形が三角なので区別できる。ベニズワイガニはゆであげても、生きているときからかなり赤いので、あまり変わりがない。身肉に水分が多く、ズワイガニの代用にされるが味はズワイガニよりやや劣る。また、輸入もののマルズワイガニは、身肉が少し赤みがかっている。 |
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分布領域 |
アラスカ沿岸、ベーリング海から樺太、朝鮮海峡までに分布する。日本では日本海側沿岸と仙台湾以北の太平洋岸に生息する。 |
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生鮮・加工法 |
生鮮利用向けとしては、全体の3〜4割を占める大型、中型のものが活がにや生がにで流通するほかは、水揚げしたときにボイルしたものが多い。活がにはおが屑を入れて、また、生やボイルのものは、氷冷したり冷凍して取り扱われる。残りの中型、小型のものは加工用に取り扱われ、惣菜、調味加工製品の原料になる。甲羅の身肉は少ないが、脚の身肉は多いので、棒肉、精肉、つめ肉、切りがになどに加工するほか、カダションフレーク、カニボール、蟹味噌などに調味加工される。店頭では、生、ボイル、冷凍にしたものが脚を切って束に、または割ってあるものが多い。丸のままや剥き身のもの、鍋物用に他の魚介類や野菜などと人数分にパックしたものもある。 |
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主な食べ方 |
冬が旬。雌のほうが美味だが、雄は脚の身肉が多い。ごく新鮮なものは、刺身にして食べられる。殻を剥いて身を出し、冷水に数分間漬けて葡萄の房のようになったところを食べる。塩ゆでにしてそのまま食べるか、二杯酢やぽん酢、だしの入った酢などにつけて食べる。かにすきや鍋物、味噌汁の具にするなど和風の料理によく合う。そのほか、焼き蟹にしても旨い。
生のものをゆでるときは、脚を輪ゴムか紐で結び、腹ぶたの中に塩を一つまみ入れ、甲羅を下にして蟹味噌が流れ出ないようにするとよい。 |
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