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成分名
エネルギー 216kcal
水分 66.1g
タンパク質 17.4g
脂質 15.1g
灰分 1.3g


カルシウム 27mg
リン 240mg
1mg
ナトリウム 110mg
カリウム 350mg
マグネシウム 33mg
亜鉛 1.1mg



ビタミンA 36μg
ビタミンB1 0.01mg
ビタミンB2 0.23mg
ビタミンC 0mg
ビタミンD 22μg
コレステロール 68mg

※科学技術庁資源調査会編
「五訂 日本食品標準成分表」より転載
可食部100g当たりの値を示します
ニシン:鰊・鯡
標準和名

ニシン
(ニシン目ニシン科ニシン属)

別名  
地方名 カド・カドイワシ(北海道、東北)
ベロッケ(アイヌ語)
英名 Herring
学名 Clupea pallasii Valenciennes
解説
ニシンは、アイヌ語では「カド」といった。これから「カドの子」が生って「数の子」になった。ニシンは、「ニ身」の事で、頭、内臓、骨、尾を取り除き、腹側と背側の2つに切り離して干物を作ったところから呼ばれるようになった。この背の方の干物が、身(腹の方の身)を欠くから「身欠き鰊」である。北海道では、最初は「カド」と呼ばれ、後に名前が変わった事から「ノチニシン」と呼ぶ。また、「ソーラン節」は、1855年から1860年頃安政年間に積丹半島でニシンの水揚げの時に歌われた音頭である。この頃、大量に獲れたニシンのお陰で網元は巨万の富を築き、建てた家は「鰊御殿」と呼ばれた。ところが、ここ100年、捕獲量は激減した。「黄色いダイヤ」と呼ばれる「数の子」もますます高価になり、正月料理食材として欠かせない現在では輸入に頼っている。卵巣を海水に2〜3日漬け、これを冷凍したものが生数の子で、むしろ上で干し固めたものが干し数の子である。身欠き鰊は、内臓を出して2〜3日乾かした後、更に1ヶ月以上干し固める。含まれる油脂や不鹸化物が、細菌の発育を抑える働きがある。戻す時は米のとぎ汁や灰汁に漬け、いがらっぽい渋みを水に溶ける物質に変えて、旨みを引き出すようにする。
分布領域
朝鮮半島南部から日本列島、カムチャッツカ、アラスカを得てカリフォルニアに至る北太平洋とその周辺海域に分布する。季節的な南北回遊をしており、夏に北上して豊富な動物プランクトンを食べ、冬に南下して越冬する。回遊経路は年齢や資源量、海流の状態に左右されるが、北海道東岸沖の群では夏にオホーツク海へ北上し、反時計回りに回遊する。また、沿岸の浅海域で産卵する群のほかに、樺太や北海道の汽水湖沼に来遊して産卵する湖沼ニシンが知られている。本州でも青森の尾駁沼や茨城の涸沼で産卵が行われる。
生鮮・加工法
今や国内産の市場占有率はごく少なく、殆どが輸入である。生食用には国内産のものが流通されるが、主に冷凍品として出回る。冷凍輸入されたものは全て加工原料になり、ほとんどは身欠き鰊に利用される。大きいものは開きなどにも加工される。数の子も生のまま冷蔵、冷凍したもの、塩蔵したものを輸入、加工している。ニシンを利用した加工品は北海道地方に多い。ニシンの卵巣は数の子として塩蔵品や味付加工品にされ、特に正月用の料理に珍重される。数の子を取り出した後は、身欠き鰊やくん製品に加工される。また、飯鮨や塩漬け、粕漬け、ニシン漬けなどにもされる。北陸や関西地方で、歴史的背景から産地の北海道よりもニシンを生かした産物が多く、石川県の大根と麹で漬けた大根寿司や京都の鰊昆布巻きなどが有名である。
主な食べ方
春先、3〜5月が旬。脂肪分が多いので、鮮度の落ち方も早く、刺身にはあまり向かない。塩焼き、昆布巻き、照り焼き、煮付け、煮物などの和風料理のほか、マリネやムニエル、フライなどにしても良い。卯の花と相性がよく、ニシンの味が良く染み込んで美味。身欠き鰊は水で戻してから使う。煮付けのだし取りにしたり、昆布で巻いて甘辛く軟らかくなるまで煮込むと美味い。数の子は、水で十分に塩抜きをして削り節をかけて供するのが一般的な正月料理だが、北海道ではみりん醤油に漬け込んだものが多い。最近は鮨種としても人気が高い。

出展:株式会社エヌ・ティー・エス発行
   現代おさかな事典〜漁場から食卓まで〜

 

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