成分名 |
値 |
エネルギー |
72kcal |
水分 |
81.9g |
タンパク質 |
15.8g |
脂質 |
0.5g |
灰分 |
1.6g |
無
機
質 |
カルシウム |
61mg |
リン |
260mg |
鉄 |
0.5mg |
ナトリウム |
220mg |
カリウム |
340mg |
マグネシウム |
38mg |
亜鉛 |
3.3mg |
ビ
タ
ミ
ン |
ビタミンA |
0μg |
ビタミンB1 |
0.07mg |
ビタミンB2 |
0.23mg |
ビタミンC |
0mg |
ビタミンD |
0μg |
コレステロール |
47mg |
※科学技術庁資源調査会編
「五訂 日本食品標準成分表」より転載
可食部100g当たりの値を示します |
ケガニ:毛蟹 |
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標準和名 |
ケガニ
(エビ目クリガニ科ケガニ属) |
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別名 |
オオクリガニ |
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地方名 |
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英名 |
Korcon crab
Hair crab
Horsehair crab |
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学名 |
Erimacrus isenbeckii
(Brandt) |
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解説 |
日本名も英名も甲羅から脚の先まではえている毛が名前の由来になっている。仲間のクリガニ(甲幅7cm)に対し、かつてはオオクリガニとも呼ばれた。近年、漁獲の減少に伴い価格が上がり、大型のものも少ない。小売では、ケガニ丸ごと2杯が、それより大きい甲羅を持つタラバガニ1杯より高いことがある。ケガニが今日のようにもてはやされるようになったのは、実は戦後のことである。それまでは商品価値のないカニだと思われ、ごくローカルにしか利用されていなかった。ところが、食料品統制を受けていた戦時中、売る商品がなくなってしまった長万部駅の構内立ち売り業者が、しかたなくゆでたケガニを売り出したところ、終戦後、飛ぶように売れるようになったということである。 |
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分布領域 |
ベーリング海から樺太、千島列島、北日本、朝鮮半島に分布する。日本では、太平洋岸では仙台以北、日本海側では鳥取以北に生息する。季節的な深浅移動を行ない、夏季は沿岸の比較的浅所に多いが、冬期は沖合、深所に移動して越冬する。 |
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生鮮・加工法 |
生鮮利用向けには、活がに、生がに、ボイルがになどにする。缶詰には適していない。活がにはおが屑を入れて、また、生やボイルのものは、氷冷したり冷凍して取り扱われる。 |
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主な食べ方 |
冬が旬で、雌よりも雄のほうが美味。冷凍ものは自然解凍してから。完全に解凍せず、8分くらいに止めておいたほうがよい。生のものはゆでてそのまま食べるか、二杯酢やぽん酢、だしの入った酢などにつけて食べる。カニをゆでるときは、脚を輪ゴムか紐で結び、腹ぶたの中に塩を一つまみ入れ、甲羅を下にして蟹味噌が流れ出ないようにするとよい。活けものは水からゆでると脚がはずれない。大きめの鍋に入れ、水はカニが隠れるくらいにする。沸騰したらゆですぎず、15分くらいを目安にする。刺身、かにすき、鍋物にもよく使う。
生のものは、そのほか、甲羅焼きにしたり、揚げ物にするとよい。煮物や椀種などにはゆでたものを使ってもよい。身肉をほぐしたものに塩、醤油などで好みの味を付け、殻の煮汁だしで炊き込んで蟹飯にしても美味しい。
洋風料理では、ホワイトソースとの相性がよい。缶詰のものを用いてカニクリームコロッケ、グラタン、スープの具などにするとよい。中華風料理では炒め物や揚げ物にするほか、卵とよく合い、卵とじの甘酢あんかけにしたり、きのこ類と一緒にスープの具にして溶き卵を流し入れてとじるとよい。 |
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出展:株式会社エヌ・ティー・エス発行
現代おさかな事典〜漁場から食卓まで〜 |