ホタテガイ:帆立貝 |
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標準和名 |
ホタテガイ
(二枚貝網ウグイスガイ目イタヤガイ科) |
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別名 |
ホタテ、アキタガイ |
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地方名 |
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英名 |
Ezo scallop
Japanese scallop |
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学名 |
Patinopecten yessoensis (Jay) |
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解説 |
名前の由来は、貝殻が帆かけ船の帆に似ているため、昔はこの貝が帆(殻)を立てて海面を移動すると信じられていたからである。中国名は「海扇」ともいう。貝殻と貝柱が、「扇子に日の丸」を型どった秋田藩主佐竹家の家紋に似ているため「秋田貝」などともいわれた。ホタテガイの貝毒は、鯨飲となる渦鞭毛藻類を摂取することによって、ホタテガイが毒化する。症状によって下痢性と麻痺性の2種類に分けられる。毒含有量が規制値以上になると、出荷禁止措置がとられる。貝毒は、中腸腺と呼ばれる器官におもに蓄積される。 |
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分布領域 |
樺太、千島列島、沿海州、北日本、朝鮮半東北各沿岸に生息する。日本では、太平洋岸では千葉県以北、日本海側では富山湾以北に分布する。北海道や東北地方に多い。 |
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生鮮・加工法 |
すべて生鮮利用向けに出荷される。全体の約7〜8割が、生食・調理用の殻付き活ほたて、殻付き生ほたて、生・冷凍剥き身、ボイル生・冷凍剥き身、生・冷凍貝柱などで取り扱われて、店頭にも同様の形で並ぶ。輸入物は、殆ど冷凍貝柱に下処理加工される。残りの2〜3割が乾燥品やくん製貝柱、くん製ひもなどの乾製品や、珍味に加工されている。また、貝柱やホタテエキスを加えたすり身をフライに下調理した冷凍食品や、貝柱入り中華風スープなどにも利用されている。イカやエビと一緒にシーフードミックスなどの冷凍食品に下処理加工されたものもある。貝柱は、貝細工、料理皿、カキ養殖などに利用されている。 |
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主な食べ方 |
春から夏にかけてと冬が食べごろだが、周年味がよいものが手に入る。殻付きの場合は、平らなほうの殻に沿って包丁の刃を入れ、貝柱を殻から外す。ひもを取り、貝柱の周りに帯留めのように回っている中腸線を取り除く。もう片方の殻から貝柱を剥ぎ落とす。貝柱は、生では軟らかく甘味があり、火を通すと濃厚な旨みが出る。刺身、鮨種に適している。刺身は薄く切ってわさび醤油で食べる。二杯酢やレモン汁で食べてもよい。焼いて醤油やたれをかけたり、酒蒸しや煮付け、椀種、フライ、天ぷら、鍋物の具にする。殻付きを焼くときは、円みを帯びた方を下にして焼き、旨みの出た汁をこぼさないようにする。野菜や他の魚介類と炒めたりワイン蒸しにしてもよい。酒、みりん、醤油で一煮立ちさせ、炊き込み御飯にしてもよい。洋風には、生か霜降りにしてサラダやマリネに使ったり、コキール、ブイヤベース、シチュー、シーフードカレー、グラタン、スパゲティーなどの具にする。トマトソースやホワイトソースとよく合う。バターを使ってムニエルやステーキにしたり、ワイン蒸しにしてもよい。レモンや柑橘類の果汁をきかせたり、ガーリックソースをかけると美味。ひもは、塩で揉むようにしてよくぬめりと汚れを取り、水で余分な塩分を落とす。刺身や酢の物、和え物にするほか、酒蒸しや煮付けにしてもよい。肝も酒蒸しや煮付けにする。ボイル剥き身は、そのまま貝柱同様に調理する。干し貝柱はぬるま湯でよく戻してから煮物や中華料理などに使う。 |
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