相変わらず、食品の表示に関していろいろな問題が出てきています。これは、お客さまの国産品信仰と、それをかわそうとする生産者と販売者のすれ違いから端を発しています。生鮮食品について、より安いものを調達するために海外で生産し、輸入するものが飛躍的に増えています。肉や野菜は比較的、計画的に生産ができるので、商社などが中心にになり積極的に取り組んでいるようです。しかし、どうしても日本人の国産品信仰が打ち破れず、誤魔化す業者も出ているようです。
 鮮魚についても同様で、消費量の半分近くは輸入に頼っています。しかし、こうした事実は、あまり知られていません。輸入品抜きでは、日本の魚食は賄い切れないのです。確かに、日本のさかなは、繊細できめ細かい身質で美味しいものが多いことは事実です。しかし、様々な理由により漁獲量が減り、大変高価なものになってしまっています。お客さまが、さかなを気軽に食べられるよう価格を維持するためには、輸入品は不可欠です。

 ご存知のように、冷凍マグロの漁獲地は近海ではなく、太平洋や大西洋の真中です。その表示については何の抵抗もお客さまには見られません。養殖の脂ののったマグロはスペインやオーストラリアなど海外で養殖されたものが中心です。エビの多くもアジアで養殖されたものです。これらの産地表示ついて、お客様の反応も特になく、売上への影響もほとんど見られません。
 しかし、生食の「タコ」がアフリカ産であると表示すると、とたんに販売量が減ってしまいます。皆さんがよく食べる「タコ焼き」の原料のタコは、ほとんどがアフリカ産のものを使用しております。
 日本へ輸出される原料は、我が国の厳重な衛生検査を受け、しかもしっかり温度管理された状態のものしか、受け入れてもらえません。それ以外の原料を、日本へ輸出することが出来ないのです。日本では、加工工場についても、衛生管理が行き届いております。また、きちんとした店では、危険性のある物は取り扱わない仕組みになっております。

 中島水産は、お客さまに代わり、品質・身元の確認を行い、当社の基準に適合し、お客さまに自信を持って提供できるもののみをお届けしております。ほとんどの商品を国産で揃えることができればいいかも知れませんが、そうすると価格は大変高いものになってしまいます。品質と価格のバランスがお客さまにとって適正となるよう、お客さまの代行者として「目利き」をさせていただいているのです。そして食べ易い状態に加工したり、あるいは新しい食べ方を提案し、提供しているのです。
 そこに中島水産の存在意義があると思っています。今後も、お客さまの欲する情報を提供し、認識していただき、「美味しいさかな」を提供し続け、お客さまの「豊かな食文化」の実現に貢献していきたいと思っております。


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