水産庁のデータによると、日本人の食用魚介類の国内消費量は2001年をピークに毎年減り続けており、トータルで20%以上減少したそうです。弊社小売部門の平均売上高も、ピーク時から30%以上減っております。従来と同じ商品を提供していては売上減少に歯止めがかからないため、新しい取り組みをしております。ここでは、その取り組みをご紹介させていただきます。
 まず素材提供では、販売実績に基づいた従来と同じ商品を提供するだけでなく、新たな商品をお客様に提案し、それを売れ筋商品に格上げしております。その顕著な例が「剣先イカ」です。東日本ではイカと言えばスルメイカですが、不漁続きで高値になっており、食卓に上がらない状況になってきています。そこで、西日本で頻繁に食べられている「剣先イカ」を、お造りにして数年前から販売に注力し、今年5月には2年前の5倍の量を販売することが出来ました。同様にサワラにも注力し、2年前の3倍の量を販売することが出来ました。地球温暖化等の影響により漁獲量・海域が変化してきている中で、以前と同じ魚種ばかりを提供するだけでなく、積極的に新しい商品を提案していきたいと思っております。
 次に「さば鮨」です。決して新しい商品ではありませんが、圧倒的に付加価値が高い「さば鮨」を作ることが出来ました。昨年春に千葉・銚子で水揚げされたサバの脂の乗りに感激して、これに付加価値をつけた商品を作り上げることが出来ないか? と考えたところ、京都を中心とした関西地区で良く売られている「さば鮨」を思い出したのです。一般に売られているサバよりも数段身厚で脂が乗っている素材を、大手外食チェーンの商品開発経験者のレシピにより、SNSでも取り上げられるほど高い付加価値のある商品に作り上げることが出来ました。現在はサバに続く「押し鮨」シリーズとして、タチウオ、アナゴ等を提案して高評価をいただいております。
 最後に西京漬けを紹介させていただきます。西京漬けも従来からある商品ですが、これも商品開発担当が作ったレシピで、自社の製造部門で三日間しっかり漬け込んだ商品を、比較的安価に提供して定着してきております。「銀だら」が一番人気ですが、トラウトサーモン、サワラも高評価をいただいております。素材中心に考えがちな魚屋が、外食店でも通じるほどの味付けをすることにより、ご家庭でも楽しい食卓になることを目指しております。
 素材として評価されることだけでなく、最終的に美味しい魚料理として食卓を飾ることが出来る商品も提案し続けて行きたいと思っております。期待してお待ちください!!

 
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